リレーエッセイ

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Relay essay

リレーエッセイ

第23回 学部5期生 岡本小百合さん

長島弥生さんからバトンを引き継ぐことになりました、学部5期生の岡本小百合と申します。長島さんとは大学でも職場でもない場所で偶然知り合い、不思議な縁を感じています。せっかく長島さんから引き継いだバトンなので、今回はこの縁について書こうと思います。

私は現在、東京にある大学病院のNICU病棟で新生児集中ケア認定看護師として働いています。自分の言葉で意思を伝えることのできない患者を対象とし、繊細な作業がほとんどである職場は緊張の連続です。その分、プライベートでは趣味を楽しみ、ストレスを発散させるようにしています。

その趣味の1つが習い事です。シフト制の仕事ですから決まった曜日・時間ではなく、自分の好きな時間に行くことができる教室に通っています。そのため他の生徒さんと顔なじみになることは少ないのですが、お稽古中におしゃべりな先生が「この方も看護師さんなのよ。同じお仕事ね」と長島さんを紹介してくれました。お稽古の後、話してみると二人ともNICU病棟で働いていることがわかりました。私はその偶然に親近感を覚え、その場で連絡先を交換しました。

しかし、偶然は更に続きます。長島さんとは時々食事に行き、仕事のことやプライベートなことなどを話しています。何気なくしていた会話の中で二人とも山形大学出身だということがわかったのです。資格は違いますが同じ専門家として新生児看護に従事し、同じ習い事をしているということだけでも十分親近感を持っていたのですが、さらに同じ大学出身の先輩後輩の仲だという偶然に縁を感じずにはいられませんでした。世間は狭いとはこういうことを言うのだと実感しました。

今回、このリレーエッセイを書きながら、久しぶりに山形の人の温かさや長閑な環境、勉強とサークル活動に一生懸命だった学生時代を思い出し、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。このような機会を頂けたことに感謝し、次の方にバトンを引き継ぎたいと思います。