リレーエッセイ

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Relay essay

リレーエッセイ

第22回 博士課程前期8期生 長島弥生さん

この度、学部同期の土屋沙織さんよりバトンを引き継ぐことになりました、学部・博士課程前期8期生の長島弥生と申します。

今回、土屋さんからお話をいただき、改めて過去のリレーエッセイを読んで、学部同期や先輩・後輩の皆様が、卒後様々な道に進まれていることを知り、感慨深い思いです。

 

私は山形大学を卒業後、そのまま山形大学大学院に進み、将来専門看護師(CNS)になることを夢見て、小児看護学を専攻しました。大学院卒業後は、上京して現在も勤めている総合病院に就職し、NICUに配属されました。その後、小児科・産科の経験を経てNICUへ戻り、卒後7年目で念願だった小児看護専門看護師の資格を取得し、現在もNICUで働いています。NICUにおける継続看護をCNSのサブスペシャリティーとし、出生前訪問制度の確立やきょうだい支援、遺伝診療部との連携をメインに活動しています。

 

私が現在勤めている病院は、CNS第1号(がん看護領域)や小児看護CNSの第1号もいる恵まれた環境で、日々先輩方から勉強させて頂いています。以前はCNSをとても遠い存在のように感じていましたが、自分が実際なってみると、日々の看護の延長線上にいるのだと感じます。

ある日のCNSメンバー同士の飲み会で、おむつのあて方1つをとっても看護師のセンスが問われるという話で盛り上がりました。看護は、自分にしかできない手術を行うスーパードクターのような存在になることではなく、おむつ交換のように一見すると誰にでもできるようなことを、皮膚の状態をきちんとアセスメントし、適切なサイズや素材を選択し、よれないように左右対称にテープを張ることで、スキントラブルを予防することだということです。点滴の固定方法もまた然り。患者さんの動線や、関節可動域に配慮した固定ができるかどうかで、その点滴がどれだけもつかも変わってきますし、患者さんの生活のしやすさにも影響します。そんなことを話しながら飲むお酒もまた美味しいものです。

 

どの領域であれ、長く働いていると、キャリアプランやワークライフバランスについて悩むこともあるかと思います。専門的な資格を取る事や、大学院で勉強することも魅力的な選択肢ではありますが、ケアを提供する相手にどれだけの心遣いができるのか、ということが看護を行うことの最大の魅力ではないかと思う今日この頃です。