リレーエッセイ

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Relay essay

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第16回 学部11期生 浅野遼子さん

看護学科11期生の浅野遼子と申します。この度、同期生の福岡英恵さんからバトンを引き継ぐことになりました。これまで母校である山形大学に貢献することがなかったので、この機会に少しでもお役に立てたら、と思っております。

私は大学卒業後、出身地である仙台へ戻り、仙台の病院で看護師として働いています。呼吸器内科、消化器内科、眼科、老年内科の混合病棟で3年働いたのち、救急部へ異動になって6年になります。今まで悩んだことや、仕事を辞めたいと思ったことは数え切れないほどありますが、4月からは看護師10年目。指導される側から、指導する側へと立場が徐々に変わってきましたが、まだまだ至らない点ばかりで未熟だなと思います。

私が今働いている救急部は、事故や火災による外傷や熱傷、脳卒中等、突然受傷・発症した患者さんが主に搬送されてきます。患者さんの治療と診断が同時に行われていく救急の現場に、最初は戸惑ってばかりでした。重症な患者さんが多く、急変や状態悪化の兆候を見逃していないかと、緊張することが多い日々です。突然のけがや病気、それによる後遺症は、患者さんやそのご家族の人生をその日から大きく変えてしまいます。現実を受け入れることが困難なことも多く、患者さんの身体的なケアはもちろんのこと、患者さんやそのご家族の精神的ケアの重要性やその難しさを日々感じています。

寒い冬が過ぎ、暖かい春が訪れるこの時期。救急部では、お花見や歓迎会の影響で、急性アルコール中毒の患者さんが増え始める時期でもあります。搬送されてきたサラリーマンや学生さんを看るたびに、「仕事の後の一杯って幸せなんだよなぁ。でも、私も呑み過ぎて搬送されないようにしないと」、と気を引き締める日々がこれから続きそうです。